「ふざけないでよ!おばさん!」



振り替え休日の翌日。ルンルン気分で学校に向かうと、正門であの綾ガキに遭遇してしまった。



「何勝手に、ヒロちゃんの心盗んでんの!?」



実は綾ガキには昨日、山下くんと恋人(キャッ)になったことを伝えたのです。もちろんメールでの反応も恐ろしかったけど、まさか学校前で待ち伏せしているとは。



「年上のテクニックでちゃちゃっと♪」



嘘です。とてつもなく苦労をして、この恋をゲット致しました!



「おばさん!あたし絶対に許さないから!絶対に、この高校に入学してアンタからヒロちゃんを奪い取ってみせるから!」



覚悟しててよ!と指をさして、すたこらと走っていった綾ガキ。きっと中学は遅刻寸前の時間なんだろう。



「いつでもかかってこい!あたしだって負けないんだから!」



走っていく綾ガキの背中にそう叫んで、校舎へと向かった。



「朝からウルサイ」



背後から夏生の声。今のやり取りを見ていたらしいな。



「長期の宣戦布告されちゃった☆」



「そこ喜ぶところ?」



「負ける気がしないもん!」



「そういう問題?」