「では、今から片付けをお願いします。事前に振り分けた片付けを場所へ移動をお願いしますねー!」
進行係がみんなに呼びかける。それを合図に、みんなは体育館を出ていく。
「ちょっと貸して!」
「ええ!?」
しかし、その進行係からマイクを奪い取ったのあたし。
《待ったぁっ!文化祭の実行副委員長から話があります!》
キーン、という機械音と共にあたしの声が響き渡った。出ていく生徒や先生達の動きが止まった。
《告白大会を辞退しましたが、うっちー先輩の言葉を聞いて目が覚めました!》
届かないかもしれない。
《山下くん!1年の山下くん!》
でも、届くかもしれない。
《あたし、山下くんが好きです!そりゃ、何度も振られてるし、超ウザイのも分かってるし、他に好きな人がいるのも分かってるし、あたしが山下くんのタイプじゃないのも分かってる!》
だから、伝えたいの。
《でも、諦めらんないの!山下くんのことばっかり考えちゃうの!年上とか年下とか関係なしで、もう山下くんしか好きじゃないんだよぉ~!》
あたしの山下くんを好きな気持ちを、隅から隅まで伝えたいんだ。


