《みんなの前でこんなことをするのは恥ずかしいかもしれない。でも、社会に出たらこの恥ずかしさなんて可愛いものです。むしろ、この恥ずかしさなんて味わえませんよ?》
生徒も先生も、うっちー先輩の話を聞き入っていた。
《だから、今回のこの告白大会を見たあなた。気持ちを伝えたくてウズウズしているあなた。その思いを胸にしまわず、吐き出してみてはいかがですか?》
気のせいかもしれないけど、うっちー先輩があたしの方を見た気がした。
《お節介なこの大会は来年も行う予定です!君も来年は是非、チャレンジを!2日間、皆さん本当にお疲れ様でした!以上、実行委員長からでした》
盛大な拍手に包まれながら、うっちー先輩がステージから降りてきた。
「お前の告白、来年まで持つか?」
ボソッと呟いた隣に立ったうっちー先輩。
待てるわけがない。エントリーは辞退しちゃったけど、山下くんへの告白を来年まで見送るわけにはいかない!
さっきまでのあたしは何だったんだ?なに、自信喪失しちゃってたの?なんで辞退しちゃったの?
こんなにも、山下くんが好きなのに。
《先生方から何か?……ないようなので、以上を持ちまして、閉会式を終了いたします。一同、礼》
見送ってたまるか!


