「話すの、明日」



「へっ?」



な、なんと、山下くんの第一声がそれだった。



「ちょっ、え!?なんで!」



「俺にも心構えがいる」



「でもっ……」



「明日、話すから」



そんなぁ~!あたしは今すぐにでも聞きたいのに!



「……明日のいつ?朝!?」



「手短でいいなら」



「やっぱダメ!じゃあ、早弁するからお昼!」



「ん、分かった」



そう言って、山下くんは反対方向に歩いて行った。これはもう家に帰っちゃうって合図なんだよね!?



「約束だからね!明日必ずや~!」



山下くんの背中に叫んだものの、山下くんからの反応はなかった。



「…………へへっ、明日か」



本音を言うと、あたしだって今日すぐに聞くのは怖かったんだ。だから、明日話すって言ってくれて、少しホッとした。



山下くんと葉月の関係。



知りたいけど、知りたくない。でも、知りたいんだよ、あたしの知らない山下くんを。



それに、なんとなくだけど、山下くんも触れられたくない話だと思う。女のカンっていうの?まぁ、それでも攻めるあたしなんだけどさ。