珍しく夏生が驚きを隠せない様子だ。



「よし!今から山下くんのところに行ってみる!もう放課後だし大丈夫だよね?」



「大丈夫だけど、もう学校にはいないでしょ」



そうだ。山下くんはすぐ帰っちゃうんだったぁ!!



「夏生!里津くんに連絡してっ。そして山下くんを強制的に夏生ん家に呼ぼう!ね?」



「ハイハイ……あ、里津からメール来てた。ほら」



そう言って、あたしにケータイの画面を見せる夏生。



──紘樹家に来てるからって沙良さんに伝えてて♪



「そうとなれば、夏生ん家に直行しましょ!」



─────☆



「山下く~ん!見てみてっ!」



夏生の家に着くなり、里津くんの部屋にいる山下くんの元へ。ドアを開けた先には、漫画を読んでいた山下くんと里津くんの姿があった。



「……なに」



「テストの結果が出たの!ほら!」



気だるそうに立ち上がって、あたしの元に来る山下くん。その嫌そうな顔もまだ素敵♡



「うわっ、沙良さん数学すげぇ!」



「数学以外のって平均は……」



「越えました!」



「1点だけどね」



「なっ、夏生!越えてるんだからいいじゃん!」



はいはい、と笑った夏生。