「あぁっ、めまいがする~!山下くんとツーショットを撮れたら、回復するかも~!!」



「……あーもう、分かった。早くして」



「やった!夏生!ほら、シャッター押して♪」



夏生にデジカメを渡して、山下くんの隣にピッタリとくっつく。



「離れて。じゃないと撮らない」



「ちぇ~っ」



「滝沢!俺達も入ろうか!?」



「やめて!山下くんとのツーショットがいいの!」



同じクラスの佐々木くんを断り、気を取り直してカメラへ向かってピースをする。うふふ、ドキドキする~!



「撮るよ」



夏生がそう言った時だった。



「紘樹?」



女の人の声がした。その声の主を見てみると、セミロングの黒髪が似合う、同い年くらいの女の子がいた。その子は……山下くんを見ていた。



「…………葉月先輩」



初めて、山下くんの困惑した顔を見た。そして、この2人には何があったって、女の感で察してしまった。