うふふ、体調不良だったことも忘れるくらい、元気になってきた!よし!やっぱり山下くん不足だったんだ!
「じゃ」
絆創膏と湿布の片付けを終えた山下くんが、ドア元でそう言った。
「え?どこに行くの?もう一緒にいてくれないの!?」
「は?もうすぐ出番だから」
「出番?」
キョトンとしていると、誰かが走ってくる足音がした。
「沙良、もうすぐ山下くんの出る……って、山下くん?」
夏生だった。息を切らしているところから、急いできたのがわかる。
「山下くんココにいたの?今放送で、応援団は集まるようにって言ってたよ。赤団、山下くんのこと探してたけど」
「え?マジっすか」
慌てて保健室を出て行った山下くん。あぁ!頑張ってって言いそびれちゃった!
「山下くんの出番が来るから呼びに来たけど、ちゃっかり山下くんといたのね」
「山下くんが会いに来てくれたの~!」
「いいから行くよ。体調は少し良くなったみたいだし?」
「ラブパワーでね!」
そして、夏生と保健室を後にした。保健の先生にも体調が良くなったことを伝えて、テントへ猛ダッシュ!


