「え……?山下くん?」
「分かると思うけど、女が苦手」
それは百も承知だ。
「恋愛とか、そういうのは言っちゃ悪いけど、ウンザリする」
なんでだろう。山下くんが別人に見える。
「ねぇ、あたしがどんなに好きって言っても、大好きって言っても、追いかけても……ダメ?山下くんの女が苦手なことを克服できない?」
「……どうやってすんの?」
「愛で!」
バカでしょ、って鼻で笑った山下くん。
「……アンタ、これだけ言われて、何も傷つかないわけ?」
「え?あたし?そりゃ傷つくよ!」
傷つくに決まってるじゃん。恋してる人からストレートに、恋愛を拒まれてることを言われるなんて、平気なわけ無いじゃん。
「でも、なんでだろう。まだ大丈夫って思えるんだよね。山下くんにアタックしまくるぞ!って、体が叫んでるんだよね」
今までだって、山下くんには冷たい言葉を言われ続けていた。だから、免疫がついたのかもね。
どんなことを言われても、山下くんのことを簡単に諦めてたまるかって。
「山下くんが恋愛する気なくても、あたしは山下くんの彼女になりたくてたまんないの!だから、今まで通り山下くんにアタックさせていただきます!」


