あぁ……神様、私はこのまま意識を失うのでしょうか。山下くんの声が、言葉が、とても温かく聞こえるのです。
「今喋ったのって、山下くんだよね?」
「そうだけど」
「他に何か言いたいことは!?今ならカモンだから!」
「は?」
首を傾げて、不機嫌な顔をする山下くん。あああ!せっかく、山下くんの口から嬉しいことが聞けたのにぃ!
「おっ、怒らないで!今の取り消し!」
「どっちだよ」
「いや、何かあれば言ってほしいけど。あたしへの愛とか愛とか愛とか」
「愛を求め過ぎ」
「はい、言い過ぎました」
外からワァッと盛り上がる声が聞こえる。あっ、今何の種目なんだろう?
「山下く……」
「アンタのこと、前よりはマシになった」
「え?」
山下くん?
「顔も覚えたし、クラスの女子よりは話すと思う」
「嘘……本当に!?」
「でも」
でも?
「恋愛としては、考えられない」
椅子に座っている山下くんが、ベッドに座っているあたしの顔を見てそう言った。
その目はあたしを捉えていたけれど、何の感情もない冷たい目をしていた。


