ガタッ
「…………ん?」
何かの物音で目を覚ましたあたし。先生かな?さっきよりも少し楽になった体を左に向け、閉めていたカーテンを少し開けた。
「!!!やっ、山下くん!?」
「あ、アンタじゃん」
そこには、愛しの山下くんの姿が!これって幻覚じゃないよね!?本物だよね!?
「どうしたの?あっ、平然を装っているけど、実はあたしの様子が心配で見に来ちゃったり!?」
「あ?違うから。絆創膏と湿布が無くなってて、取りに行くように頼まれただけ」
ちぇっ、違うのか~。ってえ?絆創膏?怪我でもしたの!?起き上がって山下くんに近づくと、数カ所の怪我が発覚!!
「ちょっ、これどうしたの!?また細川くんたちの仕業!?」
「違う。徒競走でコケただけ。大した傷じゃ……」
「大した傷だよ!だって、ここ腫れてるし、それにここは血が出てるじゃん!救急車呼ばなきゃ!」
「あー静かにして。平気だから」
そう言った山下くんは、だるそうに棚から絆創膏と湿布を取り出す山下くん。
「手当するよ!」
「病人でしょ。寝とけば」
「愛の手助けをしたいのに~!」
あたしの嘆きもお構いなしで、イスに座って腕の切り傷に絆創膏を貼りだした山下くん。


