「夏生、やっぱりまだ……」
「ダメ。山下くんのところに行くのは、元気になってからにしな」
「もう元気に……」
「ほら、行った行った」
昼食後、夏生に駄々をこねてもテントにいることを許されず、渋々保健の先生の元へ向かった。
「せんせ~、保健室で休んでいいですか」
「あら、体調を崩したの?」
「好きな人のことを考えてたら寝付けず、朝を迎えて気持ち悪い状態です~」
「もー、恋する気持ちは分かるけど、体育祭なんだから、体調を万全にしとかなきゃ。ゆっくり休むのよ」
は~い、と生温い返事をして保健室へ向かった。校舎は外とは違って、少しひんやりしていて、体を休めるには最適の温度だ。
「うぇ~……」
保健室に行き、早速ベッドに潜り込む。うわぁ、毎日干してるからなのか、気持ちがいいな。先生ありがと。
「あ~あ。山下くんとの写真、まだ撮ってないのにな……」
せっかくデジカメをフル充電してきて、使い捨てカメラむでも用意してきたのに。ちょっと寝てから、山下くんの追っかけ再開しよう!そしてそのまま、あたしは眠りについたのだった。


