音楽と放送に合わせて各団ごとに行進をした後、開会式が行われた。3、2、1年の順で並んだから、山下くんの姿は眺めていられなかったけど、頭の中は山下くんworldが炸裂していた。



「お願いします!」



開会式が終わって退場した後は、応援合戦。もちろん、山下くんもいる!あたしは、山下くんが見えやすいポジションへ移動した。



「あたしまで付き合わされるとか……」



「山城くんもいるでしょ?ほら!」



無理矢理、夏生もテントから引っ張り出して付き添わせた。ダーリンがいるのに、前に出ないなんて勿体無い!



「優勝は、今年も赤団がいただきます!」



「押忍!」



はわわ~山下くんの構え最高。悶えながらも、シャッターを切りまくるあたし。



「沙良、まるで連写してるみたい」



「だって、ひと時も見逃したくないもん!」



この時を楽しみにしてたんだから。普段はブレザー姿だけど、今日は学ランっていう貴重な姿を見納めしておかないと!



「でも大丈夫?」



「何が?」



「沙良、アンタさっきより顔色悪いよ?」