「滝沢のせいだぞー」



「佐々木くんだっておあいこだよ!」



放課後、大掃除の時に遊んでいた罰として、再びトイレ掃除をさせられているあたし達は、掃除をしながら、男子トイレと女子トイレから愚痴を言い合う。



「ちくしょー、今日から体育祭の練習があったのに、行けなくなったじゃんかよー」



「知らないよそんなの!団長でもカンチョーでもやっちゃえっ!」



ブラシでタイルをこすりながら叫ぶ。もう、早く帰りたいのに~……って、ん?



「佐々木くん、体育祭の練習って言った?」



「言ったよ」



「山下くんもいる!?いるよね!?」



「山下?あぁ、お前がストーカーしてる奴か。いるぞー?女子にモテモテだっつーの」



「な、なぬ!?」



それはあかん!阻止しなくてはいけない!



「掃除終わったら、あたしも体育祭の練習に行く!山下くんに付いている虫を取っぱらってやるんだから!」



それからは、今までにないくらい真面目に掃除をして、ピッカピカにしてやった。担任にも、普段はこれくらいしてくれたら、先生も泣けるのに、なんて泣かれたくらいだ。



「うそ……超絶カッコイイんだけど」



そして、佐々木くんと体育祭の練習の場へ行くと、先輩達と共に応援団の練習をしている山下くんの姿があった。