山下くんへの熱い想いを溢れさせて振り返った時だった。
「や、山下くんっ!」
あたしの前を通りすぎようとした山下くんがいた。ん、とゆっくりあたしを見る。
「わーいっ♪まさか山下くんからあたしに会いに来てく…」
「違う。水」
水?山下くんの手をよく見ると、コップが握られていた。あぁ!あたしに会いに来るついでに、飲み物を取りに来たのねっ♪
「ね、ね、山下くん!」
「………」
「今日の休み時間に会ったんだけど覚えてるっ?」
「まぁ」
っしゃあっ!1日で山下くんに、顔を覚えてもらうことができましたぁ!
「あのあたしね、山下くんが入学してから、ずっとラブコールしてきたんだけど、気づいてた?」


