「ミスメ……あたし、頑張れそうです!」
「……?あら、それならいいけど」
キョトントするミスメガネとは裏腹に、ニヤニヤを隠せないあたし。山下くん、早く終わっちゃダメだからね!?
「それじゃああたしは……」
「先生!これなんですけど……」
そしてミスメガネは他の部員に呼ばれて、あたしの元を離れていった。その隙に山下くんに接近の術!
「ねねっ、山下くん!」
「何」
「今日、一緒に帰ろう!」
「いや」
「なんで~!?あたし終わるの遅くなるし、ほら!女の子が1人で夜道を歩くと危な……」
「滝沢さん!手を動かしなさい!」
「動かしてますよ~!ほら!」
どうよ!と、山下くんと話しながらもホッチキスでとめる作業をしていた様を見せた。
「そ、それならいいわ」
あたしの賢さに感心したミスメガネは、再び部員と話を続けていた。(正しくは、紗良のずる賢さに呆れていただけ)


