ストレートラブ





「山下く~ん!」



「……あ?」



「あなたに会い……」



「滝沢さん、あなたはこっち。山下くんのところには行かせないわよ!」



せっかく山下くんに愛を届けに行ったのに、ミスメガネに止められた。



「無理です!足が山下くんのところにしか動きませ~ん」



「駄々をこねない!ほら!」



そしてミスメガネから渡されたのは、紙。正確には紙の束。



「先生~これって、山下くんにラブレターを書けってことですか?うふふっ、喜んで書いちゃいますけど♪」



「違うわよ。体育祭の資料よ。それをホッチキスで留めて……」



「体育祭?夏休みもまだなのに、もうそんな話が進んでるんですか?」



「そういうものよ。下準備は早めに!ってね」



「ふ~ん。じゃあ、山下くんも!」



「彼には別な仕事を頼んでいるわ。ほら、残り少ないんだから頼んだわよ!」



少なくないよ~。これ、帰るの遅くなっちゃう!いや……待てよ?



遅くなったら、山下くんと帰れるかも!?