涼山くんの件から数日が経った。朝の挨拶からできる日は帰りの挨拶まで、愛を込めてラブを送る日々は続いていた。



まだ山下くんとはゆっくり話せていないけど、涼山くんとの誤解を伝えなきゃ!



「あ、里津に忘れもん届けるんだけど、沙良も」



「もちろん、何が何でも行かせていただきます」



わかってたという目で見てくる夏生の腕を引っ張り、山下くんの元へ。(←これが沙良の目的です)



「あ~ミスメガネと放課後何するんだろ~」



「女教師とアブナイ関係とか?」



「な、夏生って実はそっち系!?」



「なわけあるか」



そして山下くんのクラスへ到着。あたしの目はすぐさま山下くんの姿を捕らえた。



「くわ~欠伸してるっ。可愛い~」



「もう眺めてて。あ、ごめん。里津呼んでくれる?」



デレデレするあたしを放置して、夏生は近くにいた子に声をかけていた。



「何だよ、姉ちゃんと沙良さんかよ。女の人って言ったから期待したのに!」



「儚い夢を見せてあげただけ感謝してほしいものね。あとこれも」



残念がる里津くんにお弁当を渡す夏生。忘れてた!とお弁当をスリスリする里津くんは、夏生とは大違いの弟だ。