突き出た四肢があるだけで、頭がない不出来なものだが、立派な“攻撃手段”。 イリイアが常に持ち歩いていたのは“精製ノ書”であった。半径三メートル内の無機物を組み換え、操ることができる。 “物質操術者”(パペットマスター)と言うべきか。 現れた墓人形(ゴーレム)に最初は唖然とした魔物だったが。 「んだよ、そんなに死にてえってことかよ。なぁ、シスターちゃん」 長い舌を出しながら、魔物が拳を握る。 「かかってこいよ、ああ!死体になっても犯してやんよおぉぉ!」