「我、神の天罰を担う執行官にして、全ての罪に罰を下す天命の遣い。

悪しき咎を葬りし、善良の救済手。全ての生命に神のご加護と死裁を」


持っていた本を開き、つきだす姿勢で。


「灰は灰に、塵は塵に。次なる生命に幸あらんことを願い、今此処に神に還す生があることを赦したまえ」


ある魔術を行使した。


魔を滅するならば魔を。死裁執行官となりしイリイアは、神秘術を用いた。


十字架がガタガタと動き出し、土から抜けた。


イリイアの前で、さながらパズルのように組み上げられ、三メートルほどの人形ができあがる。