「家畜家畜うっせーよっ。織部一色だ!ほら、答えたぞ!」


「家畜風情にはもったいない名前ね。名前負けと言うのね。――まあ、いいわ。マナーを守るのが人間様だもの。赤ずきんちゃん、皆は敬意を持ってそう呼ぶわ」


「あ、あか……?」


少なからず、織部が連想していたワードでもあった。


耳、尻尾等はともかく、少女の格好は見るからに赤ずきんのデフォルトなのだ。


絵本からぽんと出てきたよう。


「な、なんで、赤ずきんちゃんが……」


「呼び捨てとはいい度胸ね、様をつけなさい」


「赤ずきんちゃん……様?」


「ええ、名前を呼ぶ度に頭を床につくぐらい下げたならば、更に誉めてあげるわよ」