「ああ、待ちなさい、家畜」


力を抜く前、這い出た少女が待ったをした。見れば、腰を屈めて、本の中から物を探しているよう。


「もういいわ。やればできるじゃない」


少女の許可もでて、本棚から離れた織部。離れた拍子に、本棚はより深く倒れ込んだ。


「まったく、災難だわ。ああ、いい?これで私に借りを作ったとか思わないでね。家畜が人間様の役に立つのは自然の摂理。当たり前のことなんだから」


「……」


織部から言葉がでないのは理由があった。


問題点が山ほどで、いったい何から解決していけばいいのやら。