目を瞑りながらの独唱。言い終えたあとに、ちらりと幽霊を見たが、特に変わっていなかった。 解説すれば、クラウンがやっているのは悪魔払いであった。 「ああ、幽霊も悪魔もさして変わらないはずだというのに。これではシスターに習った意味がない」 欧米の感覚ではそうだろうが、悪魔と幽霊はこの島国では別と学ぶクラウン。 「やるのではなかった。貴重な聖水を無駄にしてしまいましたね」 中身がない小瓶を投げ捨てる。普段ならこんな無作法はしないが、八つ当たりに近い。小瓶が音を立てて虚しく割れた。