「イタイよー」


「失礼」


槍で幽霊の体をつつく。


ぐはっ、とか言った幽霊だったが、それも最初だけ。何回かやっている内に、槍が透ける自分の体の中で泳ぐのを。


「おおっ、これぞ幽霊原理だね!」


全てに合点がいったようだった。


「その幽霊が何で、この屋敷にいるのですか。早く成仏なさい」


「してればやってるもん!成仏できなくてねー、どこにも行く場所がないから、色んな家を転々としているんだ」


「なぜ家に住むのですか」


「女の子にホームレスになれっていうの!」