こそりと前に出た幽霊を槍で止める。――つもりだったが、びびりすぎた幽霊が無闇に動じてしまったために、槍先が幽霊の顔を擦った。


「あ……」


「きゃー、ササレター」


およよよよー、とその場にしゃがみこみ、刺された箇所を触る幽霊に、さすがにクラウンは声をかけた。


肩に手を置こうとして、スカす。


「……」


指先をちょんちょんとやって見たが、幽霊には触れなかった。


少女の顔に傷をつけてしまったならば、謝ろうとしたが。


「もしもし、お嬢様。どこも傷ついてはいないのでは」