こそりと前に出た幽霊を槍で止める。――つもりだったが、びびりすぎた幽霊が無闇に動じてしまったために、槍先が幽霊の顔を擦った。
「あ……」
「きゃー、ササレター」
およよよよー、とその場にしゃがみこみ、刺された箇所を触る幽霊に、さすがにクラウンは声をかけた。
肩に手を置こうとして、スカす。
「……」
指先をちょんちょんとやって見たが、幽霊には触れなかった。
少女の顔に傷をつけてしまったならば、謝ろうとしたが。
「もしもし、お嬢様。どこも傷ついてはいないのでは」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…