槍は、クラウンが所有する“お仕置きの物置”(ホークラックス)から“持ってきたもの”だった。
「いくら主が見放しそうな111番目の別荘と言えども、不法侵入は許せませんね」
「ひゃくじゅういちー?」
「私の記憶が正しければ、この別荘は111番目に建てられた別荘ですので」
「それって……、別荘が111個もあるってこと!」
「全建物は135建です。はて、日本語ですと家の数え方は個ではなく、建だったような」
「個だよー」
「はあ、そうでしたか。まったく私も勉強不足だ。――と、話を逸らして逃げようとしない」


