まず、眉間を揉みほぐし、日頃の疲れから見える幻影ではないことを確かめた。 「きゃー、きゃー、すみませーんんんん!」 「……」 完璧に幻でないのは、姿だけでなく声まで証明している。 足が無い半透明なことをいいことに、屋敷のエントランスをびょんびょん飛び回り、明らかなるパニックを起こす少女。――いや。 「幽霊とは、また……」 初めて見る“人種”だと、目を細めた。 「悪気はないのーっ、不可抗力なのーっ、だからー、すみません!」 クラウンの後方にある玄関から逃げる気なのは目に見て分かり。