先天性、ましては病気ではなく、これは“故意”である。 体の欠損に応じて、イリイアは魔導書を得ていた。 “精製ノ書”は目を代価に。 “神秘ノ書”は心臓を代価に。 胃、肺、子宮、様々な臓器がイリイアから失われていて、その分、力を得たのだ。 全ては神のため。 「神よ、崇高なる神よ。貴方様のもとに還るまで、私は今日も貴方様の僕を還します」 魔物の頭上に十字架が一本。 伏しているため見えずとも、死の気配を感じた魔物は――口元を歪めた。