イリイアの目が見えなくて幸いだったのか、ある一つの惨状が出来上がった。 ゴキブリを潰したかのよう。撒き散る中身さえも、紙に描いた落書きのように薄く気味が悪いものだった。 「……」 “神秘ノ書”を消し、“精製ノ書”に持ち変えた。 「貴方に神の祝福を」 この者があの世で会える神から祝福を受け取るように祈り、イリイアは背を向ける。 「 」 ――最初、何が聞こえたのか分からなかった。 頭で言葉を探る前に、腹部に妙な違和感を覚えた。