「神よ、ただいま、哀れな子羊をそちらに還しますわ」
ページを持つ指先に力が入る。
あれだけ膨張した魔物の筋肉が、通常以下になる。しぼんだわけではない、“薄っぺらく”なっていた。
徐々にプレスされていく体。
吐くつもりはなかったが、紫色した血液が口と目と鼻から、さもよだれのようにだらしなく吹き出た。
「っ、まじぃ。俺様ピンチじゃん。ヒヒ、ヒィハハー!」
何が楽しいのか笑う魔物。充血を越えた目で魔物はイリイアを見る。
「なぁ、シスターちゃんよぉ。俺様殺しちまうと、なんだ?あっちのカミサマをボコボコにしちまうぜぇ」


