「……」 イリイアの瞑る瞼に力が入る。 “精製ノ書”を消し、新たなる本を具現化した。 「神のお導きを」 ページを開く。 崩れる墓人形に変えて、イリイアがとった行動は闇なる攻撃だった。 イリイアの周辺に弾丸のような丸い闇色が浮き上がる。 「あん?」 見慣れないものに足を止めてしまった魔物の声を聞き逃さず――総弾一斉操射。 弾丸という例えは違いないらしく、小さな闇弾は魔物の体を貫通した。 「ちくしょうが……!調子こいてんじゃねえぜ、クソアマ!」