千郷が驚くのも無理はない。 なんせ優希からこんなことを言うのは、付き合って初めてのことだからだ。 少し高鳴る胸を抑えつつ、コート整備のブラシを片付け、千郷も部室へと向かった。 ―― - ――― - ―― 「遅い…」 「女の子にはいろいろあるの!」 そう言う千郷からは、制汗剤のような匂いがする。 校門で待ち合わせた二人は、もうすっかり真っ暗になってしまった道を歩きはじめた。