「「「ありがとうございました!」」」


テニスコートに声が響く。

そして部員達は一斉に片付けを始めた。



長かった夏はいつしか終わり、放課後に練習をするには少し太陽が物足りなくなってきた。



「まだ6時半すぎなのになぁ」

千郷はコート整備をしながらつぶやく。


これからもっと練習の時間が減っていくのか、と考えるとやっぱり物足りない。


千郷からは無意識にため息が漏れる。



「そんなに打ち足りないのか?」

突然の後ろからの声に、千郷の身体は思わず跳ね上がる。