麻友もまだ一人だった



悠輝との別れはもう完全に吹っ切れたようだが




誰か手の届かない相手を想っているのか


何人かからの交際も断っているようだった






ある時隣のクラスの瑞穂が俺のクラスにやってきた





麻友と親友の瑞穂としては



当然の行動だ




しかしその足は俺の方に向かっている





「駿くん、元気!?」



「おぅ…どないしたん、急に…?」





「いやぁ~別に大した事ちゃうんやけど…



あの…甲斐君って年上の彼女おるってホンマなん?」





(瑞穂もか…)





しょっちゅうこんな事を聞かれている俺は



正直うんざりしていた





麻友に会う為に頻繁に



このクラスに遊びに来ていた瑞穂もまた



祐輔の事が気になっているらしい






(アイツの事ばっかかよ…)






祐輔は本当にいいヤツなのに…







俺の心はヤッカミからなのか



祐輔に対して少し距離を置くようになった