あの学校祭の興奮も覚めぬまま


俺らの学校はテスト週間に入った




中学と違って教科も多くテスト期間も長い



おそらく“一夜漬け”では対応不可能だ






どうせ彼女もいない俺には



デートで時間を取られる事もない




一応目的を果たしたバイトも



この所シフトも減らしている






そう思い机に向かってみるが…




俺の携帯は忙しく光っている





あの体育祭での活躍は



俺を少しだけ有名人にしたようだ




ただ恋に発展しそうな子はいなかった





“梨絵”もそう…




小柄で童顔、年の離れた兄のいる梨絵は



とても幼く見えた





メールのやり取りや話していると確かに楽しかったが



恋愛対象とは少し違っていた