気がつくと、真っ暗な部屋で一人ぼっちになっていた。




「ここは…?」




物も色も人も…それどころか音もない。




何だかすごく怖い…。





「麻椿。」




「!!!!」




誰もいなかったはずの部屋に、いきなり低い音が響く。




振り向くと、そこには父さんの姿がある。





「父さん…仕事は?」




「麻椿、大学は…」




「!!!!!!」





これは、現実なの?夢なの?




私の言葉は聞こえていない、そして父さんは今日の食事会で話した事を延々と話し続けている。





まるでロボットのように…ずっとずっと。




こんなの父さんじゃない…!!



「いや…やめて、やめて父さん!!」




怖くなった私は何の音も聞こえないようにめいいっぱい耳を塞いだ。