ボールが転がる音と一緒に
少しざわつく隣のコート

そして、その真ん中でうずくまってる女の子が見えた

「おい、シュウ…あれって、」


心配そうに呟く敦、でも最後まで聞かずに
俺はそれを見てすぐにそこに駆け寄った

周りに集まる女子たちを掻き分けて
俺はリサに近寄よると

ひとりの女の子がリサに謝っていた

「ごめん、リサ…ボールがあたって」

「大丈夫だから、気にしないで」

そう言うリサは笑いながらも
少し痛そうに顔を歪めていて、

俺はすぐにリサのちいさな手首を掴んだ

「え、シュウ……?」

膝を抱えたリサはびっくりした表情で
俺はそれを無視してリサの肩に腕をまわした

「保健室、連れてくから」

何か言いたそうなリサの顔を見ないで
俺は歩きだした