黒髪が揺れる
目を合わせてくれないのに
繋がる手だけがじんと熱くなった
「シュウ……」
玄関で立ち尽くして
沈黙だけが流れる
「なんでだよ……」
少し顔を上げたシュウは顔を歪ませた
「なんで、そんなに泣きそうなわけ…?」
そっとシュウの指が私の頬にふれると
目からはみ出た雫をぐっと拭ってくれた
いつもと違って優しい行動
それだけでまた泣きそうになる
なんで、そんなに優しくするの…?
シュウにはあの子がいるのに…
「ごめん…もういいから、早く行って」
その手から逃れようとしたら
シュウはゆっくりと口を開いた
「今日は行かない…」
「え……」
なんで…?
やっぱりシュウの考えが読めない…

