「ちょっと待って…!」
俺は、気づけばその子を呼び止めていた。
ちょっとだけ
勇気を貰ったその子の名前くらいって…思ったんだ。
「名前教えてくれる?」
「え…?」
「君の名前」
「あっ…………ハル…です。」
「え?」
その子はまた赤い顔をしながら言った。
「陽菜です………。私も…ハルです」
「そっか。一緒だね。ありがと、ハル!」
俺は“ハル”に手を差し出した。
「い…いいんですか…?」
「もちろん!!」
「うわぁっ……ありがとうございますっ…!」
そして俺は“ハル”の元を離れた。
「なになに〜?さっきの子??」
興味津々で聞いてきたのは、愛舞。
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