大切なこと



翔。
あの時あなたが囁いた言葉は、深い意味だった事をあたしは気付かなかったの。

ごめんね…。

『あーっ!!楽しかった!!』

『そーだな!!色々と…な♪』

意地悪っぽく笑う翔をあたしはバシバシ叩いた。

手を繋ながらならんで歩いた横断歩道。

角を曲がってくるトラック。

眩しい光。
激しいクラクション。
周りの悲鳴。
あたしを引っ張る翔の手。
ドンッという衝撃音。
翔が倒れる音。
全部、スローモーションに見えた。

『え…?』


目の前に倒れてる翔。
なにがなんだかわからなかった。

『翔…?』

な…ん…で?

『翔っ!!』

何度も呼びかける。

『美…海…』

『翔!!しっかりして!!』

『俺…死ぬかも…』

『なに言ってんの!?今救急車来るから!!』

待って…!!