だからなのか、無性に泣きたくなる。
「………ぅぅ…ふぇ……」
「っえ!?」
「ぅあ―――ん!」
彼に抱き着いて泣き喚く。
「寂しくてっ…ひぐ……なのに、分かって…っくれないし……ふぅ…っく」
「よしよし」
わんわん泣く私の頭や背中を、彼はずっと撫でてくれた。
泣き止むまで、ずっと。
「………ぐすん…」
「泣き止んだ?」
ずっ…と洟を啜って、私は頷く。
それを見て彼は笑みを零す。
「……ありがとう」
「うん」
優しい彼の腕から抜け出し、私は立ち上がった。
「私、ちゃんと……ちゃんと、言いたい」
たまには、素直になるのも…いいよね。
「だから、今晩はここにいていい?」
「いいよ」
彼が頷いたのを見て、私は笑顔を浮かべる。
今日も、夕日が綺麗だった。
「じゃあ、夕餉食べに行こうか」
「うんっ」


