桜風月




どこかに、"恐い"という感情があって。

心を閉ざしてしまう。


龍飛はきっと、それも心配しているのだと思う。

龍飛がいなくなれば、私は一人になってしまうから――。


「大丈夫。私は、大丈夫だから」

「そっか」


笑顔で言ってみせた。

龍飛が心配にならないように、精一杯。

そしたら、龍飛も笑ってくれたんだ。


「必ず、帰って来るって………信じてるよ」


龍飛はそれを聞いて、背を向けた。

次に会えるのが、いつかは分からない。


それでも、きっとまた会えるから。







だから、