屍を越えてゆく





―――――



「任務、完了しました」


「そうかい、それは良かった。感謝しますよ。…おや?」


「どうかしましたか?」


「いや、…君が泣いているように見えて。でも勘違いだったようだ」


「はい」




―――思い出したよ、リサ。


俺は、初めて人を殺したとき、泣いたんだ。

悲しかった。
もう光の下で堂々と生きていくことは叶わなくなったから。



幾多の屍を道にして
幾多の屍を越えて



俺が目指すは、死の世界。


君は光の中にいて。


もう二度と会うことはない。



俺が行くのは地獄の闇だから。