依頼されたのは、
ライバルの娘の暗殺。


夜中に忍び込んだ家のターゲットを見て初めて“綺麗”と思った。



顔立ちは至って普通の少女。


でも、流れるような金髪と、透き通るように白い肌。

そして



「あなた、誰?」



はかない声が。

綺麗だと思った。



俺は一歩、彼女に近づく。


「俺は、殺し屋だ」


ただ一言、そう言って。


逃げ出されるならそれで良いと

失敗ならそれで良いと、



(殺したくない…)


そう思って殺し屋と名乗った。