そんな私に主任の山田先生が声を掛けて来た。


驚いて無理向くと。


「ね、すごいでしょ。私たちも驚いているんですよ。」


頷きなから答えた。


「はい、本当に驚きました。」


光はみんなと一つになろうと必死だ。


目で必死にみんなの動きを見て、それに合わせて小太鼓を叩いている。


時々隣の小太鼓を叩いてる子を、チラチラと見ていた。



光の頑張ってる姿が見れて本当に嬉しい。



緑クリニックの加藤先生を思い出した。



自閉症の子供は集団生活が難しいので、光に無理をさせてはいけないと何度も言われたが。


それでも加藤先生にこの幼稚園に、光が通う事を強くお願いすると、もしかしたら上手く行く可能性もあるかも知れないと、言ったのを思い出していた。



やってみましょう。



そう、言った加藤先生の笑顔を思いだす。



決して最初から上手くいった訳ではないが、幼稚園で過す光の様子を加藤先生に話すと、いつも驚いていた。


そして、光のように上手くいく事は希だと言われた。


まだ、まだ、始まったばかりなのだから。