薫はいつも僕は小さくても、お兄ちゃんですとみんなを笑わせていた事を思い出していた。


小さい頃は活発で元気な男の子だったが、高学年になった頃から、家の中でゲームばかりするようになり。



友達とも遊ばなくなってしまう。



少しでも外に出したくて、光と一緒に水泳教室に通わせる事を決めた。



水泳が苦手な二人が、驚くほどに上達した。



光はお風呂は大好きなのに、プールは苦手。



その光がまさか泳げるようになるなんて、本当に驚いた。


通い始めた頃に見学に行くと、光はプールに入らずおもちゃで遊んでいただけで。


でも、楽しそうに遊んでいたので、それでも良いかなと思っていたが。


光は薫がいればなんでも一緒に頑張る事が出来るのだ。


薫が中学生になり、プールに通うのを辞めると、光もやはり辞めてしまった。


薫の存在は光にとって、本当に偉大だと思う。



大人になった薫がよく言うことは、光は俺が育てたようなものだと。


なるほど、頷けるかも。


薫の存在がなければ、光はここまで成長出来なかったと思う。