「………病院には行けないってわけね…だったらいい。寝てるから、冷えピタ持ってきてよ」

どうやってもあたしは病院には行けないようなので、寝てることにした。


「どこにあんの?」

「ん…救急箱の中…」


スクッと立ち上がって、部屋を出ていく。あたし1人だったら、もっと辛かったんだろうな…

何だかんだ言って、ハチは心配してくれてるみたいだから、安心する。


頭がボーッとしてきた。


「うーみっ、冷えピタってこれであってる?冷たいやつだけど」


すごい早さで飛んできたハチの手には、ちゃんと、冷えピタが握られていた。


「あってるよ…」

表情を見れば分かるけど、ハチは大分焦ってる。何か、申し訳ないな。


「おでこに貼ればいいの?」

パッケージの絵を見ながら、そう言った。返事をする代わりに、小さく頷く。


おでこに冷たい感覚。それを感じながら、ソッと目を閉じた。

最後にみたのは、眉毛を下げて不安そうな顔をするハチの顔だった。