最初から、上手くいくだなんて、思っていなかった。

死神と人間だもんね。

普通にいれる時間の方が、ありえなくて、貴重な時間だったんだよ。


それでも……今あたしが死んじゃったとしても、ハチとイブに会えたことに、後悔はしない。

それはこれから先も変わらない気持ちだから。




―――――海…!


ハチ…?


小さく声が聞こえてきた。そもそも、あたしはいったいどこにいるの?

意識があるような、ないような、不思議な感覚。あたし、今まだ生きてるんだよね…?


またハチとイブに会えるんだよね?



…起きなきゃ。


こんなところで、グズグズしてる場合じゃない。2人に会わなきゃ、死ねないよ。



――――――起きろ、海


また、聞こえた。


大丈夫、もう起きるよ…