卒業式も終えた、3月の終わり。
定期演奏会を無事終えて、私たち三年生は部活を引退した。
そんな日に、波瀾万丈だった中学生活にピリオドを打ちたくて、私は今、夜10時の靴箱前に座っている。


約束の時間から30分。
やっぱり来ない、か。


予想通りすぎて笑えてしまう。


さあ、帰ろう。
ブレザーのポケットで光る携帯には、気付かなかったことにして。


……そんなこと出来るハズはなく、新着メール一件を開いた。


それは案の定、三年間想い続けた、同じ部活の彼からで。



『今日行けれんくてごめん。

一応行ったんだけど、おらんくて帰ったんよ。』



おかしいな?
9時からずっと待ってたんだけど。