(も~っそんなでかい声で あたしの名前呼ばないでよ!) 毎日言ってるのに。 蓮のバカでかい声のせいで クラスのみんなからの視線が痛い。 「うっさいなぁ、 言われなくても分かってる! しかもトロくない!」 あたしは叫びながらリュックをしょって キッと蓮を睨んだ。 「痴話喧嘩すんなよ~」 「ほんと美男美女だよね!」 「芽衣! 明日こそはのろけ聞かせてよ!」 な~んて、 毎日のように浴びせられる クラス皆の冷やかしを完全にスルーしながら あたしはドアに向かい 蓮を引っ張って教室の外へ出た。