「え、ちょ……蓮…」 「ごめん」 視界いっぱいに広がるのは 蓮の白いYシャツ。 細く見えて固い男の子らしい胸板。 鼻をかすめる ふわっとした蓮の香り。 そしていきなりの謝罪の言葉。 「なんで…蓮が…あ、謝るの」 「だって俺の前で泣くって事は 俺のせいだろ?」 「い、いや…違う…」 「違わない」 「本当に…違うもん…っ」 私が泣いてるのは 素直になれない自分が嫌で 蓮に振られるのが怖いから。 決して蓮のせいなんかじゃないんだ。